【自動車保険 車両保険の考え方】車両保険はなぜ入ったほうが良いのか。

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本日は、保険会社に勤務していた経験を活かして、自動車保険の補償内容について解説していきます。

今回は、自動車保険の基本的な補償内容のうち、「車両保険」についてです。
(自動車保険には、以下の図の通り4つの基本補償がございます。ひとつずつ解説させていただきます。)

「車両保険」とは何か

簡単に言うと、ご自身のお車へ発生した損害を補償するものです。

車両保険には、大きく2種類のタイプがあります。

一般条件

他車との接触・衝突、落書き・イタズラ、盗難、台風・竜巻・洪水・高潮、火災、飛来物・落下物との接触・衝突、当て逃げ、単独事故、自転車との接触、
などを補償してくれます。

長々と列挙してしまいましたが、いわゆる「フルカバータイプ」と言われるものです。
(ただし、地震・噴火・津波による損害は対象外ということにご注意ください。)

ざっくりお伝えすると、「単独事故+相手車との接触事故+自然災害や飛び石被害など」を補償してくれます。

車対車+限定危険 (車対車+A、エコノミー車両保険、等保険会社によって名称が異なります。)

一般条件の補償内容から、「当て逃げ」「単独事故」「自転車との接触」を除いたものです。

ざっくりお伝えすると、
「相手車との接触事故(相手車(=自動車のみ)の特定が必要)+自然災害や飛び石被害など」です。

相手車との接触事故の場合、相手車の特定が必要なため、当て逃げは対象外となります。

 

※ここで、ご参考までにデータを以下に記載します。

  • 車両保険を契約している割合は約60%(10人に6人の方が車両保険に加入)。
  • 「一般条件」と「車対車・限定危険」の加入割合は約半数ずつ。
  • 10人中約1人が「車両事故」で保険を使用しています。
  • 修理費の平均金額は「約20万円」。また、修理費50万円を超える大きな事故は、10件に約1件発生。

車両保険は入ったほうが良いのか

車両保険は、保険料が高い(感覚的には、車両保険をつけると保険料が2倍くらいになることも多い)ため、加入に少し躊躇することもあるかもしれません。

しかし、ズバリ、車両保険はメリットがたくさんありますので加入をおすすめします。

車両保険のメリット① 先行払い

「過失割合」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、相手の方との接触事故が発生してしまった時には、「どちらがどれくらい、事故の責任を負うのか(何%分、相手へ賠償するのか)」責任割合を決めます。

これを過失割合と呼びます。

事故の際には、ご自身の保険会社と相手の方の保険会社が交渉し、過去の判例を参考にしながら、当事者同士の思いや考えも尊重しながら、過失割合を決定していきます。
(保険会社が当事者同士の直接交渉を代行してくれているのです。いわゆる示談代行ですね。)

この過失割合というのは、なかなか交渉がまとまらず、解決までに長い時間を要することも少なくありません。

例えば、ご自身のお車の修理費が100万円である場合、

過失割合が3:7であれば、相手の方が70万円賠償してくれますが、
過失割合が2:8となれば、相手の方が80万円賠償してくれることになります。

自分の責任割合分を自費で払う場合、交渉次第で自費負担が10万円異なると思うと、交渉にも熱が入ってしまいますよね。双方なかなか納得がいかない場合、裁判に発展することもあります。

しかし、もし車両保険に加入していればどうでしょうか。

過失割合が3:7になろうが、2:8になろうが、車両保険と相手からの賠償の合計で100万円を捻出することになりますので、いずれにしても自費負担はありませんね。つまり、過失割合にこだわる必要がないということです。

車両保険に加入していると、相手からの賠償を待たずに自分の車は自分の車両保険で修理し、交渉ごとは保険会社に任せっきりにする、ということができるのです。

これを先行払いといいます。

交渉ごとが長引くと精神的にもしんどいですし、修理工場が「修理は過失割合が決まってからスタートしたい」と言うこともあるので車をなかなか修理できない可能性もあります。

万が一の時に、ストレスフリーですぐに元の生活に戻れるよう、車両保険への加入がオススメです。

車両保険のメリット② 家族内での接触事故

ご自宅の駐車場に、ご自身のお車と配偶者の方のお車、もしくはお子様のお車など2台以上のお車をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

万が一、ご自宅の駐車場内で家族同士のお車がぶつかってしまった場合、対物賠償でお車を修理することはできません。

この場合、それぞれのお車の車両保険で修理することになります。
それぞれのお車の所有者が異なる場合、「車対車+限定危険」でもお車の修理代を保険でお支払い可能です。

駐車場が狭く、家族同士の車へ接触してしまうリスクが高い場合など、ぜひご検討ください。

車両保険のメリット③ 他者運転特約

あなた(もしくはご家族)は、ご自身のお車以外のお車を運転することはありますでしょうか。

例えば、帰省し親戚同士集まった際、甥の車を運転する、といったことや、大学に通うお子様が友人の車を借りて運転する、彼氏(彼女)の車をたまに運転する、といったことがある場合、万が一の時の保険は大丈夫か、確認してみてください。

借りる車についている保険が「本人夫婦限定」等になっていると、あなたは保険の対象外ですし、もしそうではなかったとしても、万が一保険を使用するとなると、翌年の保険料は高くなってしまいます。

これでは、せっかく車を貸してくれた友人や彼氏等に申し訳ないですよね。

このような事態を避けるために、車両保険に加入していると、他人から借りたお車で万が一のことがあっても自分の車両保険が使えます。

(ご自身の車両保険が一般条件であれば、借りたお車に対する補償も一般条件になり、ご自身の車両保険が車対車+限定危険であれば、借りたお車に対する補償も車対車+限定危険になります。)

賢い加入方法

このようにメリットがたくさんある車両保険ですが、さらに効果的なものにするために特約をひとつご紹介いたします。

「車両無過失事故に関する特約」です。

 

万が一、相手のお車に接触・衝突されてしまい、あなたには何も過失がない場合、通常は、相手の方が全額賠償をしてくれるはずです。

しかし、もし相手が無保険だったら…

また、前回の記事で、「対物賠償は時価額が限度」という話をしましたが、時価額を超える修理費が発生してしまい、相手が時価額を超える分を賠償してくれないとしたら…

あなたは何も悪くないにも関わらず、自費で負担するか、もしくは自分の車両保険で修理費を受け取ることになるかと思います。

車両保険に入っていて良かったですね!

しかし…、こんな場合でも、通常、あなたの保険の等級は下がってしまい、翌年の保険料は高くなってしまうのです…!

まさに、弱り目に祟り目…。

こんな状況を回避してくれるのが、「車両無過失事故に関する特約」です。

これがあれば、このような「ご自身に過失がないにも関わらず、止むを得ず車両保険を使用した」場合に、保険の等級に影響を与えない、という効果があります!

私は、自動車保険の事故対応も経験したことがありますが、この特約があったおかげで金銭負担なく補償を受けられた方々がたくさんいらっしゃいました。

ぜひオススメの特約です。

これは、車両保険に自動でセットされている保険会社や、オプションで選択する形式をとっている保険会社、そもそもこの特約を用意していない保険会社、と様々ですので注意が必要です。

ぜひ確認してみてください。

まとめ

車両保険にはメリットがたくさん!
加入の際には、車両無過失事故に関する特約を付帯すべし。

保険料が高くて加入を迷われる場合には、

  • 一般条件でない場合には車対車+限定危険を検討する
  • 免責金額(自己負担金額)を検討する(免責なし→免責5万円、免責10万円)

といったこともぜひやってみてください。

車対車+限定危険、免責10万円、といった契約条件であれば、保険料はかなり下がるはずです。

補償力は弱まりますが、先にお話ししたメリットはついてきます!

ぜひご参考にしていただければ幸いです。

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