【自動車保険 人身傷害の考え方】いざという時に補償が足りない?!

保険をデザインする

本日は、保険会社に勤務していた経験を活かして、自動車保険の補償内容について解説していきます。

今回は、自動車保険の基本的な補償内容のうち、「人身傷害」についてです。
(自動車保険には、以下の図の通り4つの基本補償がございます。ひとつずつ解説させていただきます。)

「人身傷害」とは何か

簡単に言うと、ご自身(および同乗者)が、事故でケガをしたり、後遺障害を負ってしまったり、亡くなってしまったりした場合に補償してくれるものです。

ケガの治療費だけではなく、お仕事をお休みせざるを得なかった期間の所得補償(休業損害)、精神的損害(慰謝料)も補償してくれる優れものです。

一昔前は、このような実際にかかった治療費+@を補償してくれる人身傷害ではなく、定額補償の搭乗者傷害というのが主流でした。(例えば、5日以上通院すれば定額10万円補償、等)

これでは補償が不十分ということで、今では人身傷害が主流になっています。

もし、ご自身の保険を確認されて、いまだに人身傷害に入っておらず搭乗者傷害のみ、という内容であればすぐに内容の見直しをおすすめします!

(人身傷害も搭乗者傷害もどちらも加入している場合は問題ありません。ただし、保険料を節約するためには、搭乗者傷害を削ってしまうというのもアリです。)

正しい保険金額を考える

ご自身の人身傷害の保険金額はいくらになっていますでしょうか。そして、なぜその金額で設定されているのでしょうか。

この保険金額まで説明してくれる代理店は少ないので、金額設定の理由まで把握されている方は稀かと思います。

しかし、これも代理店の言いなりで良いのでしょうか。

せっかく保険料の約20%を代理店へ支払っているのに、何の説明もなく、万が一の時に足りなかった…ということがあっては大変不幸なことだと思います。

では、以下のケーススタディをご覧ください。

ケーススタディ

万が一の事故で死亡してしまった場合に支払われる保険金:

①死亡に至るまでの治療費 + ②葬儀費用 + ③逸失利益 + ④精神的損害

①治療費:実際にかかった治療費

②葬儀費用:60万円 (保険会社によって異なることがあります。)

③逸失利益:「もし生きていたら稼いでいただろう収入」から、「もし生きていたら使っていただろう生活費」を引き算します。

(将来の稼ぎの変動や就労可能年数、生活費は不確実なので、保険会社独自の計算式でシミュレーション値を算出しています。)

④精神的損害 :例えば、一家の大黒柱が亡くなった場合、2,000万円受け取れます。 (保険会社によって異なることがあります。)

<事例>
35歳、男性、既婚(奥様と子供2人)、
年収:600万円、
状況:即死(治療費なし)

この場合に支払われる保険金を算出してみると、保険会社によって多少異なることがありますが、

葬儀費用 60万円 + 逸失利益 6,637万円 + 精神的損害 2,000万円
=8,697万円

となります。

 

感覚的には、人身傷害の保険金額は3,000万円~5,000万円で加入されている方が多い印象です。

もし3,000万円で加入されていれば、上記の事例の場合でも、3,000万円までしか受け取れない、ということになります。

もちろん、死亡してしまう事例が発生する可能性は高くないので、そんなに高い保険金額は不要、という考え方もありますが、例えば保険金額を3,000万円から7,000万円に変更しても保険料差は大きくありません。

ご自身の場合に、いくらで保険金額を設定するのが良いのか代理店へ相談し、保険料差を考慮しながら、最終決定されることをオススメします。

おすすめの補償

この人身傷害、実は、車に乗っているときのみならず、ご自身のお車の外にいるときにまで補償を広げることができるのです。

例えば、

  • 街を歩いているときに車にひかれてしまった
  • 自転車に乗っているときに他の車と接触してしまった

等を補償できるのです。
(ご自身のお車の外にいるときに、自動車事故に遭ってしまった場合に補償してくれる、という内容です。)

さらに、保険会社によっては、以下のような場面まで補償してくれる特約も存在します。

  • 自転車に乗っている時に、転倒しケガを負った
  • 電車に乗っている時に、鉄道事故に遭いケガを負った
  • エレベーターに乗っている時に、ドアに挟まれてケガを負った。

他の交通乗用具に乗っているときのケガを補償してくれるわけです。交通乗用具とは、電車、自転車、航空機、船舶、エレベーター等をいいます。主だった保険会社では、三井住友海上、日新火災のみ、この特約の用意があるようです。

もはや自動車保険ではないような補償内容ですが、電車通勤・自転車通勤をしているような方にとっては非常にニーズの高い補償だと思います。

まとめ

ご自身にあった保険金額で、ご自身にあった補償範囲で、人身傷害に加入すべし。

考えることが多くなってしまうとややこしくなりますが、大切なご自身およびご家族のお体に関する補償ですので「理解し、納得して、加入する」ということを忘れずに。

ご参考にしていただけますと幸いです。

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。